アメリカ、現地校のキンダー・小学1年生の入学準備とは?
先日、日本人のママが
「最近アメリカに来た人なんだけど、子どもが現地の小学校に馴染めないんだって。」
と言っていました。
「子どもはキンダーに通っていて、お母さんは日本で英語の勉強をさせるとか、準備をしてこなかったみたい。」
私も彼女も、子どもたちがアメリカ生活に早く馴染めるよう、下地を整えてからの渡米。
子どもは言語習得が早いから、準備しなくても良いと思う方もいるかもしれません。
ある児童英語講師のトレーナーは、「聡明な子は、英語習得も早いんだよね。」と言っていました。
周りを見てみても、ご両親のように優秀なお子さんは英語習得も早いですし、社交的で明るい性格の親、現地に馴染もうとする母親を持つお子さんは、ローカルのお友達を作っています。
さて、私が聞かれる質問は主にこの2つ。
- 「キンダーの勉強って何をやっているの?」
- 「フォニックスって何?」
キンダーガーテンの勉強は何をやっているの? 内容は?
キンダーガーテン(5歳児、年長)は小学校の0学年にあたり、お勉強が始まります。9月スタートで、クラスの人数は州によって異なりますが、1クラス約20人です。
日本ではまだ年中なのにキンダーへ通う子もいます。義務ではないので、勿論「キンダーへ行かない」という選択肢もあります。
スカラスティックサイトから、キンダー入学準備を抜粋しました。
- アルファベットの大文字・小文字が認識出来る
- 自分の名前が書ける
- 10まで数えられる
- 同じ仲間、違うものなど種類が分けられる(classification skills)
- 文章で話せる
- サイトワーズ(sight words)が少し分かる※
- ライミングワーズ(rhyming words)が分かる※
- 自分のフルネーム、電話番号、住所、誕生日が言える
参照: Kindergarten Readiness: What Skills Your Child Should Have | Scholastic | Parents
公立小学校でのキンダーの授業を見る限り、授業は日本で言う「お勉強系の私立の幼稚園」のような、まだまだリラックスした雰囲気です。学力差があると、良く出来る子グループはGrade1のワークブックを与えられ、アルファベットが書けない子は初めのうちボランティアの保護者がサポートに入ります。
キンダーも後半に入ると、ジャーナル(日記)を書くようになります。最初は2文くらいから始まります。キンダーのWriting指導の講義で、「スペルミスは直さないこと」と言われました。Grade1になってから徐々に矯正していくようです。
Grade1からは理論的に発言できるよう、自分の考えをプリントにまとめる練習をたくさんしています。
アメリカの小学校と日本の小学校の違いは「発言する子が評価される」ところでしょうか。黙って聞いているだけでは、授業への参加態度の評価が一番下のランクになります。(うちの子がそうで、先生に指摘され、子どもに「学校で色々質問しようね。」と言って改善しました。)
●サイトワーズ(sight words)ですが、使用頻度が高かったり、フォニックスでは読めない単語です。これは覚えます。
例えば、I, can, we, the, at, am, it, up, no, yesがあります。
日本の英会話スクールで使用していたサイトワーズの絵本です。本を購入しなくても、手書きのフラッシュカードで大丈夫です。
Sight Word Readers: Learning the First 50 Sight Words is a Snap!
●ライミングワーズ(rhyming words)は韻をふんだ言葉です。例えばDr.Seussの絵本にあるThe Cat in the Hatは、catの/t/とhatの/t/が韻をふんでいます。
Dr.Seuss(ドクター・スース)の絵本はプリスクールでも、小学校でもよく使用されますので、ライミングのお勉強と兼ねて読んでおいた方が良いと思います。まずはこの3冊がおすすめです。
The Cat in the Hat (Beginner Books(R))
Green Eggs and Ham (Beginner Books(R))
One Fish, Two Fish, Red Fish, Blue Fish Book & CD
- Reading
- Writing
- Mathematics
- Social Studies
- Science
- Physical Education
- Music
- Arts
評価の対象になりませんが、外国語(フランス語やスペイン語)、i padを使用したレッスン、タイピングもありました。
1年生の入学準備はこちらをご参照下さい。
フォニックスって何?
フォニックスは文字を読むために、文字とその発音を覚えます。
例えば、”Cat"の発音は、"スィー・エィ・ティー"でなく、"クッ・ア・トゥ"です。つなげて早く発音します。
自分で教えるのはちょっと・・・という人は、歌で導入するのがおススメです。
本を読むためには、文字をマスターしていることが前提です。
大文字小文字を全部書けるようにします。
公立小学校のキンダーではフォニックスを学びます。子どもの通っていたキンダーでは、まず子音(consonant)、母音(vowel)の基本の発音から始まり、サイトワーズを覚えつつ、フォニックスのルールを学びました。
- Short and long vowels (例えば、apple とacorn)
- consonant digraph(例えば、ship, shell)
フォニックスのルールはたくさんあります。Grade1でも引き続きフォニックスを学習していました。
フォニックスが少し進んだら、CVCワーズ(consonant+vowel+consonant)を読む練習をします。
例えば bat, cat, mat, fat, hat など、一つずつ音を指で確認しながら読み、次にすばやく読みます。
BOB BOOKSのシリーズは、CVCワーズを覚えた子どもにおすめの「初めて自分で読める」絵本です。人気の絵本です。
Bob Books Set 1: Beginning Readers
フォニックスの教え方は、
- アルファベットと基本の発音を覚える
- フォニックスのアプリやゲームをして読み方に慣れる
- 自分で教えられない時は、フォニックスが得意なスクールに通わせる
子どもは楽しくないとやらないので、フォニックスのゲームやアプリがおススメです。DVDやCDは飽きますし、高い教材を買う必要もありません。
アメリカの偉人・アメリカの文化も予習しておくと安心
アメリカの偉人ですが、プリスクールでも小学校でも毎年のようにトピックに上がります。子供も幼稚園で「何をした人ですか?」と聞かれたそうです。常識ですので、どんな人くらいかは知っておいた方が良さそうです。
- マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(Martin Luther King, Jr.)
- エイブラハム・リンカーン(Abraham Lincoln)
- ジョージ・ワシントン(George Washington)
アメリカの文化ですが、
- Halloween
- Thanksgiving
- Hanukkah
- St. Patrick's Day
はよくトピックに挙がります。
結局、何を準備したらいいの?
何をやって良いか分からないママは、 CostcoやAmazonで該当学年の英語のワークブックを買ってやらせてみて下さい。アメリカの学校で何を勉強するのか知るだけでも、子どものモチベーションが変わります。おすすめは、BRAIN QUESTのワークブックです。
アメリカには塾のようなものを見かけませんので(私の周りでは)現地校に対応するサポートとしては、以下のものがあります。
- ESLクラス(外国人の英語クラス)
- KUMON
- チューター(家庭教師)
- 話せない子はスピーチセラピー
子どもにとって、小学校で何を言っているか理解出来ない、お友達ができない環境はとても悲しいし、辛いのです。もし自分が子どもの立場だったら、ママはこの環境に耐えられますか?
現地校でハッピーに過ごせるよう、お子さんと一緒にキンダー・小学校の準備を楽しんで下さい。